デボン紀には一部の生物が陸にあがり、両生類へと進化していきました。
陸に上がると全身の皮膚が空気に触れ、太陽にさらされて、体内の水分が外に出ていってしまいます。
さらに心臓から送り出された血液も、毛細血管を通るとき、水分が少し血管の外に漏れ出てしまいます。
生物の体内には一定の水分量が必要ですから、水分を摂って補うのですが、血管から組織へ漏れ出た水分も回収したほうが体内の水を維持しやすくなります。
リンパ管の先端部である毛細リンパ管は、各種の臓器や皮膚の表面の近くで、毛細血管から漏れた水分を吸収します。
そして全身から集められた水分は、最終的に静脈に注がれて心臓に戻ります。
病原菌と闘うことも、体内の水分量を保つことも、生物が自分の身体を守るために必要不可欠な機能です。
つまり脊椎動物は「生体防御」という目的のために自分の身体のなかでリンパ系を築き発達させてきたのです。
リンパ系は静脈で戻りきらない水分を回収して静脈に戻しながら、同時に病原菌とも闘ってくれているわけです